2025.2.2新着情報
相続手続きを司法書士に依頼するメリットとは?専門家を選ぶポイントについて

相続手続きは自分でもできる手続きです。
しかし、複雑で手間がかかる作業が多いため、相続が複雑な方や仕事や家事で忙しい方は専門家に依頼するのがおすすめです。
そこで、この記事では相続に強い専門家である「司法書士」に相続手続きを依頼するメリットや専門家を選ぶポイントなどを紹介します。
相続手続きを相談したい人、どの専門家に相続について相談すべきか迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
目次
相続手続きは専門家に相談しよう
相続手続きは多くの人が人生で一度は経験する可能性があるテーマです。
手続きは自分ですることも可能ですが、多くの場合複雑で感情的な問題を含んでいます。
適切にスムーズに対処するためには専門家に相談しましょう。
特に、以下のような状況に当てはまる場合は専門家に相談するのがおすすめです。
相続税手続きで専門家に相談すべき人
相続人同士の仲が悪い人
相続人同士が対立していると話し合いができないことが多いため、相続手続きが複雑になります。
中立的な立場から適切なアドバイスを受けて問題を解決するためには、専門家の介入が不可欠です。
相続人の人数が多い人
相続人の人数が多い場合、手続きはより複雑になります。
それぞれの相続人の権利を正確に把握して、公平な分割を行うためには専門家の介入が不可欠です。
代償分割・換価分割を利用したい人
不動産などの資産をどのように分割するかは相続において大きな問題です。
代償分割・換価分割を適用する場合は、専門家による細かなアドバイスや介入が必要になるので、専門家に相談することをおすすめします。
急いで不動産を売却したい人
相続不動産の売却を急いでいる場合は、不動産価値を正しく評価して迅速に手続きする必要があります。
手続きをスムーズに行うためには専門家の手を借りることが大切です。
このようなケースに当てはまる人は、特に相続手続きで専門家の介入が必要です。
相続手続きの専門家とは
相続手続きができる専門家は以下の通りです。
- 司法書士
- 弁護士
- 税理士
- 行政書士
上記で示した専門家に相続手続きの相談や依頼ができます。
ただし、専門家によってできる手続き内容が異なるので注意が必要です。
相続手続きを依頼する場合は、依頼したい内容に合った専門家に相談しましょう。
【専門家別】相続手続きを依頼する専門家選びのポイント
相続手続きを相談することができる専門家には「司法書士」「弁護士」「税理士」「行政書士」がいます。
それぞれができる手続き内容が異なるため、ご自分のケースに合った専門家に依頼するようにしましょう。
ここでは、それぞれの専門家が相続手続きでできる業務の特徴を紹介します。
手続き内容 | 司法書士 | 弁護士 | 行政書士 | 税理士 |
相続人調査 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
相続財産調査 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
遺言書作成 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
不動産登記 | 〇 | △*¹ | × | × |
相続放棄 | 〇 | 〇 | × | × |
遺産分割書の作成 | 〇 | 〇 | 〇 | △*² |
自動車の名義変更 | × | × | 〇 | × |
相続トラブル解決 | × | 〇 | × | × |
相続税の申告 | × | × | × | 〇 |
*¹基本的には司法書士が行う
*²ケースによってはできない
司法書士→相続登記に強い!相続手続き全般を任せられる!
司法書士は、相続手続き全般を任せることができる専門家です。
特に相続登記(不動産の名義変更)の専門家なので、土地や建物の相続がある場合に向いています。
相続手続きをどの専門家に相談すべきか迷っている方は、まず司法書士に相談してみるのがおすすめです。
ただし、相続トラブル、相続税の申告の業務はできないためそれぞれの専門家に相談しましょう。
費用相場
不動産登記 | 5万円~20万円程度 |
相続手続き一式の代行 | 10万円~50万円 |
司法書士に相談するのがおすすめの人!
- 相続トラブルがない人
- 相続手続き全般を依頼したい人
- 不動産の相続がある人
- 忙しくて相続手続きをする暇がない人
弁護士→相続トラブルに強い!相続手続き全般を任せられるが費用が高い!
弁護士も司法書士と同じく相続手続き全般を行うことができる専門家です。
特に相続トラブルの法的な解決を得意としています。
相続トラブルを抱えているという人は弁護士に相談しましょう。
ただし、一般的に弁護士は他の専門家よりも費用がかかるケースが多いです。
初回相談から費用がかかることもあるので、予約時に必要な費用について確認しておくのがおすすめです。
費用相場
着手金 | 10万円~ |
報酬金 | 遺産分割後などに事務所ごとに異なる割合で計算される |
弁護士に相談するのがおすすめの人!
- 相続トラブルがある人
- 相続トラブルが起こりそうな人
- 相続人同士の関係が複雑な人
- 相続する財産が多い人
税理士→相続税手続きに強い!
税理士は相続手続きの中でも相続税関連の手続きを専門としています。
相続税の申告だけでなく、相続税の節税対策や財産価値調査、財務調査などのサポートも可能です。
相続税全般について相談したい方は税理士に相談しましょう。
費用相場
相続税申告 | 相続総額の0.5%~1.0% |
こんな人は税理士に相談するのがおすすめ!
- 相続税について相談したい人
- 相続税申告や相続税の計算を依頼したい人
- 控除や特例などを活用して節税したい人
- 複雑な財産価値の評価をしてほしい人
行政書士→書類作成に強い!相続が複雑でない場合に依頼するのがおすすめ!
行政書士は、相続手続きに必要な文書作成を専門としています。
他の専門家と比べて費用が安い場合が多いため、気軽に相談しやすいです。
ただし、依頼人の代行として手続きを行うことができないため、司法書士や弁護士よりも相続手続きにおいてできる業務は少ないと思っておきましょう。
相続が複雑ではなく文書作成のみ依頼したいという方に向いています。
費用相場
相続人・相続財産調査 | 5万円~6万円 |
遺産分割協議書の作成 | 3万円~5万円 |
預貯金などの名義変更 | 2万円~5万円 |
複数の手続き | 10万円~ |
こんな人は行政書士に相談するのがおすすめ!
- 相続が複雑ではない人
- 相続に必要な書類作成のみ依頼したい人
- 相続について相談したい人
【まとめ】相続手続きを相談できる専門家の特徴
専門家 | 特徴 | こんな人におすすめ |
司法書士 | ・相続登記に強い
・相続全般を一任できる |
・相続トラブルがない人
・相続手続き全般を依頼したい人 ・不動産の相続がある人 ・忙しくて相続手続きをする暇がない人 |
弁護士 | ・相続トラブルに強い
・相続全般を一任できる ・費用が高い |
・相続トラブルがある人
・相続トラブルが起こりそうな人 ・相続人同士の関係が複雑な人 ・相続する財産が多い人 |
税理士 | ・相続税関連に強い | ・相続税について相談したい人
・相続税申告や相続税の計算を依頼したい人 ・控除や特例などを活用して節税したい人 ・複雑な財産価値の評価をしてほしい人 |
行政書士 | ・相続に関する書類作成に強い
・費用が安い |
・相続が複雑ではない人
・相続に必要な書類作成のみ依頼したい人 ・相続について相談したい人 |
このように、同じ相続手続きでも専門家ごとにできる業務が異なります。
専門家に相談する場合は、自分の相談内容に合った専門家を選ぶようにしましょう。
相続手続きを司法書士に相談することのメリット
司法書士は相続手続きにおいてできる業務が多い専門家です。
相続手続きについて誰に相談すべきか迷ったときは、まず司法書士に相談してみましょう。
ここでは、相続手続きを司法書士に相談することのメリットを紹介します。
不動産の相続登記に強い
司法書士は不動産の相続登記に強い専門家なので、土地や建物の相続がある場合は、司法書士に相談しましょう。
相続登記は複雑で多くの書類が必要な手続きのため、自分で行うのは非常に困難です。
相続登記の手続きに精通している司法書士に業務を代行してもらえば、確実かつ迅速に手続きを進めて、後の法的なトラブルを防ぐこともできるでしょう。
相続手続き全般を任せられる
司法書士は、相続が発生する生前対策から遺言作成、相続発生後の相続人の戸籍調査、相続登記手続きなど相続手続きに関する幅広い業務を行うことができます。
相続に関して何から手を付けて良いか分からないという人は、まず司法書士に相談してみるのがおすすめです。
中立的な立場からのアドバイスがもらえる
司法書士は一方の相続人だけを代理して他の相続人と交渉することが禁止されているため、全ての相続人に対して公平な立場で業務を行います。
相続人のうち、誰か一人だけに偏った立場で手続きを行わないため、相続人全員が納得した上でアドバイスを得ることが可能です。
労力を減らして手続きを確実に進めることができる
全ての手続きを司法書士に一任すれば、相続人が直接動く機会が格段に減ります。
自分で手続きを行えば、市役所や金融機関に何度も訪問しなければなりませんが、一般的に市役所や金融機関は平日の昼間しか開いていないことが多く、仕事をしている人にとっては手続きを行うのは困難です。
忙しい人こそ、司法書士に手続きを依頼しましょう。
特定の相続人に過大な負担がかからない
専門家に相談せずに自分で相続手続きを行う場合、全ての相続人が協力して手続きを進めるのが理想的です。
しかし、実際は一人が代表して手続きを行うことが多いです。
これにより、手続きの負担が特定の相続人に集中し、その結果不満が生じてトラブルになることもあります。
第三者である司法書士が介入することで円満にスムーズに手続きを進めることが可能です。
精神的な負担を減らすことができる
相続手続きを行うのは、大切が亡くなった直後の精神的に辛い時期であることが多いです。
ただでさえ辛い時期に慣れない手続きを行うのは大きな負担となってしまいます。
大変な時期に心や体を休めるためにも、相続の専門家に手続きを依頼するのがおすすめです。
相続手続きで司法書士ができる業務
司法書士は相続手続きでできる業務が多い専門家です。
ここでは、司法書士が相続手続きでできる主な業務を紹介していきます。
<司法書士が相続手続きでできる主な業務>
- 不動産の名義変更(相続登記)
- 遺産分割協議書の作成
- 相続放棄
- 金融機関の相続手続き
- 相続人の調査
- 相続財産調査
- 遺言に関係した手続き
不動産の名義変更(相続登記)
故人の土地・建物・マンションを相続するために行う名義変更手続きのことです。
相続登記には正式な期限がないため、後回しにされがちですが、放置しておくと相続協議が難航したり、不動産の売却に支障が出たりするので、早めに行いましょう。
遺産分割協議書の作成
遺産分割協議書とは、遺産分割協議(相続人全員が参加して遺産分割の方法や割合を決定する協議)の内容をまとめた書類のことです。
司法書士はこの書類を作成することができます。
相続放棄
相続放棄とは、相続人が相続を放棄するための手続きのことです。
相続では、プラスの財産(不動産・現金)だけでなくマイナスの財産(借金など)も受け継ぎます。
マイナスの財産が多い場合に相続放棄という手続きを取るという人が多いです。
金融機関の相続手続き
故人の預貯金などを相続人に相続するための手続きのことです。
手続きには手間と時間がかかるため、忙しい方は司法書士に依頼するのがおすすめです。
相続人の調査
相続人が誰であるかを確認する作業のことです。
相続人が誰かを明確にせずに、手続きを進めるとトラブルになる可能性があるので、相続手続きの際には最初に行いましょう。
相続財産調査
相続財産調査とは、故人の財産を明らかにして財産を明確にすることです。
これも相続手続きの最初に行います。
遺言に関係した手続き
相続に関した遺言書の作成は司法書士に依頼することができます。
特に、不動産の相続がある場合は、相続登記のプロであり司法書士に依頼するのがおすすめです。
相続手続きで司法書士ができない業務
司法書士は相続手続きでできる業務が多いですが、中にはできない業務もあります。
ここでは、相続手続きで司法書士ができない業務を紹介します。
<相続手続きで司法書士ができない業務>
- 相続トラブルの解決
- 相続税の申告手続き
相続トラブルの解決
司法書士は相続トラブルを法的に解決することができません。
相続トラブルが発生している場合は、訴訟を含む法的な代理権を持っている弁護士に依頼しましょう。
相続税の申告手続き
司法書士は相続税関連の手続きができません。
相続税の手続き、節税対策などを依頼したい場合は税理士に相談しましょう。
相続手続きを司法書士に依頼する際の費用相場
相続手続きを司法書士に依頼するとスムーズに確実に手続きを進めることができますが、費用もかかります。
ここでは、相続手続きを司法書士に依頼した場合にかかる費用相場を紹介します。
不動産登記 | 5万円~20万円程度 |
相続手続き全般の代行 | 10万円~50万円 |
一般的には、基本報酬+相続人の人数や不動産の個数によって費用が上がっていくシステムの事務所が多いです。
最近は相続手続き全般を代行するプランがある事務所もあるので、費用を抑えたい人はパック形式のプランもおすすめです。
詳しい内容は事務所によって異なるので、直接義務所に問い合わせましょう。
信頼できる司法書士を選ぶためのポイント
相続手続きを司法書士に依頼するためには、信頼できる司法書士を選ぶことが大切です。
ここでは、信頼できる司法書士を選ぶためのポイントを紹介します。
依頼主の話をしっかりと聞いてくれるかどうか
まずは、依頼主の話を親身になって聞いてくれるかどうかが重要です。
丁寧に話が聞ける司法書士は自然と依頼主の思いを汲み取り、依頼主に合った解決法を提案してくれます。
初回相談の際に、司法書士ばかりが話をするのではなく、まず依頼主の話に耳を傾けてくれる人を選びましょう。
実績や経験が豊富かどうか
信頼できる司法書士を選ぶためには、その人の実力も重要です。
司法書士の実力や能力や知る手掛かりとなるのが、実績や経験です。
実績を調べる際にはその数だけでなく、案件の種類や内容も調べると、その司法書士の得意分野を知ることができます。
他の士業と連携しているかどうか
多くの司法書士事務所では、他の専門家(弁護士・税理士など)と連携して業務を行っています。
他の専門家と連携している事務所に依頼すれば、複数の事務所に手続きを依頼しなくても一つの事務所だけで手続きを完了できるのでおすすめです。
事務所のホームページで連携している専門家の情報も掲載されていることが多いので、まずはホームページを確認しましょう。
料金システムが分かりやすいかどうか
相続手続きを依頼した場合にかかる費用システムは事務所によって異なります。
手続きごとに費用を計算するシステムや手続き一式でまとめて費用を計算するシステムなどさまざまです。
相続手続き一式をまとめて依頼したい場合は、一式パック形式の費用システムがある事務所を選ぶとお得に相談できます。
まとめ
相続手続きは複雑で手間がかかるため司法書士などの専門家に依頼するのがおすすめです。
特に、相続人の人数が多い場合、相続する財産が多い場合は、手続きが複雑になりトラブルになりやすいため専門家の介入が不可欠になります。
また、司法書士は相続全般の手続きを一任することもできます。
仕事や家事などで忙しく、相続手続きをする暇がないという人は、司法書士に手続きを依頼しましょう。